超短編小説and雑文・morimorispyのブログ

ちょっと、短編小説らしきものを書いてます。日々の雑文も書いてます。

野心と賭け

ダービー(東京優駿)が近い。友人の何人か、知人の何人かは興奮を抑えられないでいる。

競馬好きの作家は多い。しかも有力な作家に多い。小説も一種の賭けということだろうか。

歴史に対して、世界に対して、自分の証しを刻み込む賭け。それだけが、文学の動機ではないにせよ。やはり、優れた小説家はそれぐらい野心は皆持っているのだろうと思う。それは文学に限らないことだが。

競馬及び競馬史というのはそういった野心と賭けの蓄積としては、非常に典型的なものなのだろう。

自分があまり競馬に興味がないのは、付き合いや社交程度で、賭けるが、多分、そういう歴史の栄光が、自分には無縁だとどこかで、思っているからだろう。だから、あたりもかすりもしない。無茶な大穴を狙いすぎて。

どうみても、来ないところに300円かけるというのは、競馬の歴史に対する自分のアイロニーの表現なのかもしれない。強い馬に敬意は表すが、どこかで、その強い-弱いという歴史の構図自体への叛逆心を抱いている自分がいる。