クロード・ランズマンの特集上映を結局、見に行かなかった。
確かに、この田舎の都市で、クロード・ランズマンの特集をするのは画期的な出来事だったけれども、
この世界の現状というか動向を見たり体感したりしていると、
「ホロコースト」っ恐ろしいね、とは他人事のように言えない、と思ったからだ。
昔、東京で見た限りの記憶で、いま、「ショア」に取り立てて見に行く用事はないなと思った。
イスラム原理主義やテロリズムに全く同情や共感を抱いてはいないが、中東やアフリカを管下に置いた英国やフランスの帝国主義やイスラエルの成り立ち、アメリカの帝国主義の下での我々の豊かさ等々を考えるに、素直には見れないだろうなと思ったからだ。
我々はアメリカの帝国主義のおかげで豊かさと平和を長く享受している。これは嫌味でもなんでもなくて、事実だ。
日本はアメリカの国民以上にもしかしたら、アメリカの帝国主義の恩恵をあずかっているかもしれない。
イスラム過激派が敵対しているのは、西洋世界そのものだ。
かつて、東京で見た「ショア」を今は大学の教授となった友達は熱心に語っていたけれども、2000年代の9・11及び3・11以後の世界に対しての問いとしては、少し古いと思ったので
見なかったわけだが。