昨日、ローソンでローストチキンを夜中買って、食べた。
What a wonderful world - LOUIS ARMSTRONG.
夜中だから例の目を付けた女性はいなかった。夜勤の男の店員さんから半額で売ってもらった、ローストチキンをアパートの部屋に帰って、一人で小さなホークで、ほぐしながら食べた。
缶の発泡酒のふたを開けて、ごくごくと飲んだ。
すると、私は泣いていた。寂しいゆえの涙ではなく、世界を呪うがゆえでもない。驚くことに世界へのいとおしさが私を泣かせたのだ。
私にローストチキンを半額で売ってくれた夜勤の店員さんのことを思った。結構少なからずいる私の風変わりな友人たちのことを思った。
例の目をつけていた女性は幸せだろうかと考えた。苦労して生きた母のこと、父のことを考えた。
自死をした友達のことを考えた。有馬記念のことも。出走するスーパーホースたちのことも。ミルコ・デムーロはなぜあんなに強いかを。
スカイプで最後に話した時、友だちは言った。
「お前は自分の田舎の悪口を言うが、帰るところがあるのは羨ましい。」と。
喜びでもなく、悲しみでもなく、めちゃくちゃな順序でそれらのことがゆっくりと走馬燈とは逆に、ゆっくりとゆっくりと、イメージが、明確に、昔の記憶の、今の、未来の、が混濁し、発泡酒を飲み干しえると、私が生きてきた汚濁が、私の汚辱、そして他者からの浴びせられた汚辱、それらをすべて、許せるような気がした。明日は仕事だったから、自分に声を出して「さあ、眠ろう。」と言った。