仕事に行きたくなる小説
中学校の頃、ヘッセの「車輪の下」を読んで、存外、面白く、「デミアン」や「荒野の狼」などを読んだ。あのころは、多感な時期だったから、ドストエフスキーの「罪と罰」から始めて、「地下室の手記」や「白痴」まで手を出した。
いろいろ、理由は考えられるが、これらの小説は、子供が読むには毒があり、受験勉強や部活でのやる気をかなり削いだ。
「地下室の手記」は正直、今も読みたくはない。
「映画」と出会い、私の観念的に考える悪癖からは逃れ、学校への適応はなんとかできた。
とはいえ、その後しばらく続く、「映画好き」になってしまった。高校に映画好きは何人かいて、高校生なのに映画のレイトショーに行くというおしゃまなつわものもいた。
私が、海外や日本ののミステリーや英米のスパイ小説にもえてきたのは、それらを原作とした映画のせいで、原作も読んだら、めちゃくちゃ面白いというものもあったからだ。
優れたミステリーやスパイ小説を夜、読んでいると、次の日、仕事に行きたくなる。たいした仕事ではないが、生きる、生きてやる、という気持ちになる。
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