孤独の絶滅その1・短編小説
その後、まいさんから連絡はなかった。メールでも返事は帰ってこず、ローソンの朝番にも、まいさんはいなかった。
思い切って、ローソンの店長に聞いてみた。
「あの、スレンダーな店員の方、おやめになったのですか?」
それから店長が答えるのを待った。その合間が恐ろしかった。もし、やめたというのであれば、私には探す手立てはない。よくある恋歌のように、面影を街で見かけて、違った人だとがっかりしたりするのだろうか。そこまでの愛情なのかは自分でもわからなかった。
まいさんと直接に話をして、同類の友のように感じたが、性的な関係を持つと、ずっと意識してこなかった、自分は男である。というどうしようもない事実に気付かずにはいられなかった。性的な関係を経ると、もしその女性が欲しいなら、男として恥ずかしくないだけの給金はもらっているのか、まして、まいさんの念願だという通信制の大学に行かせられるのかなどと、ぼんやりと、だが、重く、一人で考えた。
「ああ、まいさんかい?休暇取ってるんだ。四日ほどね、」
もっと、踏み込んで聞いてみた。
「戻られるんですか?」
「もちろんだよ。惚れた?」
「いや、いや、ちょっと、気になって。」
「そうですか、今日もおにぎり買ってくださいよ。」と、店長は気さくに言った。
今日が四日目だった。水曜日、仕事から帰ると、思い切って、メールをしようと思った。丁寧なメールをできるだけ心がけよう。滑稽にならない程度に。
するとイエデンに電話がかかってきた。